鶴岡・酒井家 公開に向けて法人発足
2019.10.4 山形新聞
藩主の墓所、貴重な資料
旧庄内藩の歴代藩主らが眠る鶴岡市の酒井家墓所の整備、保存に取り組む一般社団法人「荘内酒井歴史文化振興会」が発足し、記者会見が3日、同市役所で行われた。酒井家第3代忠勝の入部により庄内藩が成立してから400年となる2022年4月からの一般公開を目指す。
墓所は同市家中新町の大督寺南側にあり、広さ約7270平方メートル。徳川四天王の筆頭とされる初代忠次から第17代忠明さんまで、藩主・当主と夫人らの墓がある。庄内藩ゆかりの松ケ岡開墾場や荘内神社の有志などが年2、3回、草刈りのために敷地内に入るが、一般向けに公開していない。 地域住民の誇りとなる城下町鶴岡の新たなシンボルとして墓所を整備しようと、先月25日に同法人が発足。代表理事は、酒井家19代で致道博物館副館長の忠順さん(45)が就いた。賛助会員を募り、定期的な草刈りと清掃、藩主の功績に関する看板や案内板の設置、外観の整備、防犯カメラの設置などを進める。会見で忠順さんは「藩主・当主の墓がこれだけそろっているのは国内でもまれ。貴重な史料で、公開する重みを感じる」と語った。
会見では、皆川治市長が市の酒井家入部400年記念事業についても説明した。本年度中に実行委員会を組織し、22年度にシンポジウム、パレードや花火大会などの開催を計画している。財源確保のため、ふるさと納税制度を活用して自治体が寄付金を集めるガバメントクラウドファンディングを検討するとした。
※2019.10.4 山形新聞掲載記事より