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「酒井家墓所」の一般公開目指し

2020.2.16-荘内日報

荘内酒井歴史文化振興会が設立 鶴岡

旧庄内藩主酒井家の歴代藩主らが眠る鶴岡市家中新町にある「酒井家墓所」の一般公開を目指す、一般社団「荘内酒井歴史文化振興会」の設立総会が14日、同市の荘内神社で開かれた。酒井家第3代忠勝公の庄内入部から400年の筋目となる2022年4月からの一般公開に向け、賛助会員を募るとして資金を集め、墓所の整備に取り組む。

墓所は家中新町の大督寺南隣にあり、広さ約7270平方メートル。徳川四天王の筆頭とされる初代忠次公から第17代忠明さんまで、歴代の藩主・当主とその夫人らの墓がある。墓石の一部には中国四神の一つ玄武に由来する台座があり、江戸期の石造の歴史を知る上でも貴重なもの。城下町鶴岡の新たなシンボルとして環境整備を進め、一般公開を目指す。

同振興会は昨年9月に発足。名誉会長は酒井家第18代当主の酒井忠久さん(73)、代表理事には19代の忠順さん(45)が就いた。設立総会には庄内地域の各界から約150人が出席、あいさつで、忠順さんは「地域の皆さんに支えられて守られてきた歴史と文化を財産として活用しながら保存を図り、未来に継承していきたい」と設立の趣旨を説明し支援と協力を呼び掛けた。来賓代表で皆川治鶴岡市長、宮野直生出羽三山神社宮司、吉村美栄子知事(代理)らが祝辞を寄せた。

墓所の一般公開に向けた樹木の剪定や草刈りなどの整備費用として年間約150万円を見込む。先月末まで行ったクラウドファンディングでは、目標の200万円を上回る326万5000円(支援者214人)が集まり、当面の維持・管理に充てる。公開に向けてはさらに、石工事や解説・案内板設置、監視カメラなど防犯対策費など数千万円の整備費用が必要と試算している。

忠順さんは事業説明の中で、これまで酒井家関係者のみで8月に行っていた墓前祭を、今年は7月13日に会員を招いて実施する計画を発表。また、致道博物館に隣接する酒井家所有の敷地約3300平方メートルについて「将来的には、博物館と一体的な有効活用を考えていきたい」と語った。

2020年(令和2年)2月16日(日曜日)荘内日報 1面