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赤門

致道博物館の敷地内に赤門が厳かにそびえ立っているのをご存知ですか?

時は幕末。江戸にあった荘内藩邸の一部を取り壊して、海路でその材を運搬し、文久3年(1863)に藩主隠居所である御隠殿として現在地に移築されました。

致道博物館に今も残るこの赤門は、そのときに御隠殿に付随する門として移築されたものと伝えられています。

明治25年(1892)、台風で破損し修復され、平成16年(2004)8月の台風でも倒壊しましたが、古材をできるかぎり使って当初の姿に再建しました。

赤門の由来ですが、江戸時代の大名家では将軍德川家との慶事の際に御祝いのために江戸屋敷の門を朱塗りにするという通例がありました。この赤門も荘内藩主酒井家に田安德川家のお姫様がお輿入れになったときの御祝いに朱塗りされたものと伝えられています。

江戸時代にこの赤門は江戸にあり、様々な人や歴史の瞬間を目撃してきたのではないでしょうか。そう考えると夢は広がります。

 Bloom 2018.2 vol.74 知新-新しきを知る- 第3回