行列ができる博物館
近年の博物館には見られない光景だった。人・ひと・ヒト、まさに行列ができる博物館である。
刀剣乱舞-ONLINE-(名刀を男性に擬人化した「刀剣男士」を収集・強化し、合戦場の敵を討伐していく刀剣育成シミュレーションゲーム)のファン、刀剣女子たちで博物館は大いに賑わった。
きっかけは致道博物館が所蔵する「重要文化財 短刀 銘吉光(名物信濃藤四郎)」が刀剣乱舞-ONLINE-のキャラクターになったこと。そして、致道博物館の女性職員が専属で展開している致道博物館ツイッターが刀剣乱舞の運営会社とつながったのがはじまりだった。
SNSではじまったご縁は2度のコラボ企画・展示につながり、県内外(海外)から2万人超が鶴岡を訪れたのである。
何よりも驚かされたのは、訪れた女子たちが真剣に刀剣に見入り、勉強している姿。入口はどうあれ、若い人たちが刀剣や歴史、文化財に興味を持ってくれるのは、文化に携わる者としては大変心強く、嬉しいことだった。
情報が溢れる現代。新しい手法、トレンドをいち早く知り、いかに活用していくかが問われる時代である。
Bloom 2017.10 vol.72 知新-新しきを知る- 第1回