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關雎堂(かんしょどう)

「余 荘内候の邸に於いて 關雎を講ず 故に 為に斯の語を書す 副島種臣」

副島種臣(そえじまたねおみ)は明治政府の太政官や外務卿等を歴任、西郷隆盛とも親交が深く、庄内では西郷とともに尊敬されていた人物である。

庄内の先人たちは西郷から受けた教えをまとめ、明治23年に副島が序文を寄せて「南洲翁遺訓」を刊行、全国に頒布してまわった。

明治24年に来庄した副島種臣は、現在の致道博物館御隠殿で、中国古典『詩経』周南の講義をした。「關關(かんかん)たる雎鳩(しょきゅう)は河の洲にあり…」。

副島の講義以来、この一室は關雎堂と呼ばれている。ここで酒井忠篤(酒井家13・15代)、忠宝(酒井家14代)、そして旧庄内藩士25名が輪になって副島から講義を受けたのである。

教育・経済、自粛ムードが漂っている今日。大人も子どもも仲睦まじく古典や歴史を学び直す絶好の機会である。

※「關關雎鳩(かんかんしょきゅう)」は、水鳥が仲良く鳴き交わしている姿を表し、
「夫婦仲が良いこと、仲睦まじいこと」を意味する四字熟語である。

 Bloom 2020.4 Vol.87 知新-新しきを知る- 第15回